皮膚のぶつぶつ・湿疹について
子どもはぶつぶつや湿疹などの皮膚トラブルで悩まされることが多く、当院では皮膚疾患の診療にも力を入れています。
子どもの皮膚トラブルは皮膚のバリア機能の弱さや感染症に起因するものが多いです。
適切な外用剤の使用やスキンケアが大切なことが多いですが、内服治療や検査(アレルギー検査など)が必要になることもあります。
子どもに多い皮膚トラブル
- ●湿疹
- ●蕁麻疹
- ●アトピー性皮膚炎
- ●感染症に伴う皮膚症状(みずぼうそう、りんご病、手足口病、突発性発疹、猩紅熱、麻疹、風疹など)
- ●全身性疾患に伴う皮膚症状(川崎病など)
- ●皮膚感染症(とびひ、みずいぼなど)
- ●こども特有の皮膚トラブル(乳児脂漏性湿疹、おむつ皮膚炎、あせも、虫刺されなど)
子どもの皮膚は乾燥しやすい!
皮膚の構造は子どもと大人で大きな違いはありませんが、子どもの皮膚は乾燥しやすくドライスキンになりやすい、という特徴があります。
皮膚表面の皮脂には保湿作用があります。皮脂の分泌量は生後1か月頃までは多いのですが、その後は著しく減少し、大人より少なくなります。
また、子どもの皮膚は角層(皮膚の最も外側)の水分保持能も未熟であり、このようなことから乾燥しやすくなります。
ドライスキンになると皮膚の「バリア機能」が低下し、病原体やアレルゲンが体内に侵入しやすくなってしまいます。
皮膚のバリア機能を改善させるためには日ごろからこまめに保湿を行い、「つるつる・もちもちの皮膚」を保つことが大切です。
ドライスキンを改善するスキンケア
3段階のステップ
- ①皮膚への水分補給・・・入浴
- ②補給した水分をより多く保持する・・・保湿剤(製品名:ヒルドイド、ビーソフテンなど)
- ③保持した水分を蒸散させない・・・閉塞剤(製品名:白色ワセリン、プロペトなど)
*皮膚を洗うという作業には、皮膚をきれいにするという良い面と、皮脂を落としてしまってドライスキンを助長するという負の面の両面があることを意識しましょう。
入浴後はすみやかに保湿剤等で皮膚を保湿することが大切です。
入浴時のスキンケアのポイント(とくに乳幼児)
- ●せっけんや洗浄剤は手のひらでよく泡立ててなでるように洗いましょう
(ナイロンブラシやボディブラシは刺激が強いので使うのは控えましょう) - ●洗ったあとはせっけんや洗浄剤はよく洗い流しましょう
(せっけん成分が残っていると皮膚バリアが破壊されてしまいます) - ●柔らかいタオルで押さえるように水分を吸い取りましょう
(皮膚をこすらないことが大切です) - ●頭はタオルで丁寧に拭いたあと、自然乾燥させるのがよいです
(ドライヤーで乾かすと皮膚が乾燥しやすくなります。使用するときは温度が高くなり過ぎないように注意しましょう) - ●入浴後はしっかりと全身を保湿しましょう