季節の変わり目にさしかかり、喘息発作で来院されるお子さんが増えています。発作がおもくならないうちに治療を始めることが大切です。せきが3~4日たってもピークをこえない、せき込みが強い(眠れない、吐いてしまう、出だすと5回以上続くなど)場合は受診するようにしてください。もともと喘息と診断されているお子さんは、せきが出てきたら早めに一度受診されることをお勧めします。喘息のコントロールが不良だと、本来かぜとして治る感染症でも肺炎を起こしやすくなります。定期の服薬や吸入は規則正しく続けていただくようお願い致します。
名前のつく感染症では、突発性発疹が比較的多い状態が続いています。突発性発疹はヒトヘルペスウイルス6/7というウイルスによる感染症で、感染経路は既感染者の唾液を介した水平感染と考えられています。感染の場は保育園よりも家庭内が多いといわれています。乳児期に罹患することが多く、2~3歳までに多くの子どもがかかります。高熱が3~5日続き、解熱後、体幹部を中心に全身に発疹が広がるのが特徴です。熱がでている間、ときに熱性けいれんを起こすことがあります。熱性けいれんが起きたときの対応は、下記をご覧ください。
他には、ヘルパンギーナがやや増えていますが、例年より少なく流行といえるレベルではありません。ヘルパンギーナはエンテロウイルス属というウイルスによる感染症で、のどに水疱や口内炎を形成します。感染経路は飛沫・接触です。発熱に加えてのどの痛みが目立ち、水分を摂れなくて脱水症になることがあります。解熱鎮痛薬を使いながら、噛まずに飲み込める冷たいもの(プリン、ゼリー、アイスクリーム、冷めたおじや、とうふなど)を与え、こまめに水分を摂るように努めてください。熱が下がり、水分が摂れるようになれば登園できますが、登園許可証が必要です。他には溶連菌、アデノウイルスなどがときどきみられますが、それほど多くはありません。
<熱性けいれんがおこったときの対応>
➀ あわてない
- ほとんどのけいれんは数分間で自然に止まります
- 1回のけいれんが命や後遺症につながることは非常にまれです
② 口のなかに指や箸などを入れない
- 舌を噛むことはありません
③ 体を横にする
- 体を横にして、吐いたものがのどに詰まらないようにします
④ 救急車を呼ぶ
- けいれんが2~3分以上続くときは救急車を呼びましょう
- 心配な場合は、すぐに呼んでも構いません